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シックスシグマとは

シックスシグマは、体系的な手法と統計的分析によって、プロセスの不良とばらつきを減らす経営手法です。名前は、プロセスがどれだけばらつくかを示す標準偏差の記号、ギリシャ文字のシグマ(σ)に由来します。

プロセスの平均が目標どおりでも、一部の製品が許容差の外に出れば不良は出ます。ばらつきを小さくすれば、すべての製品が目標に近づきます。だからシックスシグマは平均だけでなくばらつきを見ます。

この手法の慣例では、「シックスシグマ」のプロセスは100万回の機会あたり3.4個の不良(DPMO)を出します。この数値には、時間とともに平均が1.5シグマずれるという、手法が採用している仮定がすでに含まれています。この用語は1980年代にモトローラが生み出し、その後多くの企業が採用しました。リーン・エンタープライズ・インスティテュート(LEI)もこの用語を用語集に載せています。

出発点は常に顧客です。手法は顧客の要求を品質にとって重要な特性(CTQ)に置き換え、プロセスがそれをどれだけ満たすかを測ってから、はじめて対策を選びます。この翻訳を欠くと、チームは重要なことではなく、測りやすいことを最適化してしまいます。

DPU・DPMO・シグマ水準の計算方法

必要な数は3つです。検査した数量、1個あたりの不良発生の機会、見つかった不良の数です。機会とは、失敗する可能性があり、顧客が気づく特性のことです。数える前に一覧を固定してください。

指標式例
数量(U)検査した部品シャフト5,000本
1個あたりの機会(O)失敗しうる特性4
不良(D)不適合の合計60
DPUD ÷ U60 ÷ 5,000 = 0.012
DPMOD ÷ (U × O) × 1,000,00060 ÷ 20,000 × 1,000,000 = 3,000
機会あたりの歩留まり1 − D ÷ (U × O)1 − 0.003 = 99.7%

DPMOが出たら、1.5シグマのずれを前提とした換算表を見ます。

シグマ水準DPMO歩留まり
2308,53869.1%
366,80793.3%
46,21099.38%
523399.977%
63.499.99966%

DPMOが3,000なら、4シグマと5シグマの間です。表計算ソフトではNORM.S.INV関数を使います。シグマ水準 = NORM.S.INV(1 − DPMO ÷ 1,000,000) + 1.5 で、約4.25になります。

注意点が2つあります。DPUは不良の数を数えるので、1つの部品に複数の不良があることがあります。不良品の個数を数えるには直行率を使います。また、分母を膨らませるためだけに機会の数を増やすと、シグマ水準は書類上は良くなりますが、顧客は何も変化に気づきません。

DMAICの5つの段階

DMAICは、シックスシグマの改善プロジェクトの進め方です。Define(定義)、Measure(測定)、Analyze(分析)、Improve(改善)、Control(管理)の順に進みます。各段階は、次の段階が必要とする成果物を出したときにだけ終わります。

段階中心となる問いよく使うツール成果物
定義問題は何か。どの顧客に対し、どんな目標か。プロジェクト憲章、SIPOC、顧客の声問題・範囲・目標
測定現在の実力は。測定は信頼できるか。データ収集計画、測定システム分析(Gauge R&R)、ベースライン現在のDPMOと信頼できるデータ
分析どの原因がばらつきを説明するか。パレート図、特性要因図、なぜなぜ分析、仮説検定、回帰検証済みの真の原因
改善どの対策が原因に効くか。実験計画法、パイロット実施、ポカヨケ検証済みの対策
管理成果をどう維持するか。管理図、標準、対応計画持続する成果
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計算例:DPMO 3,000から1,350へ

計算を学ぶための例で、数値は架空です。あるラインが、直径、長さ、表面粗さ、同心度という4つの重要特性を持つシャフトを加工しています。

不良の原因改善前改善後
直径の外れ363
表面粗さ1212
長さ88
同心度44
不良の合計6027
DPMO3,0001,350
シグマ水準(概算)4.254.5

最終計算:27 ÷ 20,000 × 1,000,000 = 1,350 DPMOで、55%の削減(3,000から1,350へ)です。目標を上回りました。表面粗さは27個の不良の44%を占めるようになり、次のサイクルの対象になります。

この例が教えることに注目してください。直径は不良の60%(60個中36個)を占めていたので、それだけに取り組んで合計がほぼ半分になりました。不良が4個しかない同心度に同じ労力をかけるのはムダでした。チームの時間をどこに使うかは、パレート図が決めます。

ベルト制度とプロジェクトでの役割

シックスシグマでは、教育をベルトで区分します。下の分け方は実務上の整理であり、名称や要件は企業や認証機関によって異なります。

ベルト・役割役割の内容
ホワイトベルト用語を理解し、データ収集を支援する
イエローベルトプロジェクトに参加し、割り当てられた作業を行う
グリーンベルト比較的小さなプロジェクトを、多くは兼務で率いる
ブラックベルト複雑なプロジェクトを率い、グリーンベルトを指導する
マスターブラックベルト人材を育成し、プログラムの戦略を決める
スポンサー(チャンピオン)プロジェクトを選び、資源を割り当て、障害を取り除く

LEIは、認証があまりにも広まったため、その質を判断するのが難しくなっていると警告しています。資格は能力の証明にはなりません。成果を測定した完了プロジェクトの実績のほうが重みがあります。

シックスシグマ、リーン、DMADV:どれをいつ使うか

手法焦点使う場面
シックスシグマ(DMAIC)既存プロセスのばらつきと不良不良が続き、原因が明らかでないとき
リーンムダ・流れ・リードタイム待ち、在庫、手直しが目に見えるとき
DMADV(DFSS)新製品・新プロセスの設計改善すべきプロセスがまだないとき

実際には、企業は両方を組み合わせます。多くの工場では、まずリーンが流れを整え、そのあとシックスシグマが残った不良に取り組みます。シックスシグマには時間、教育、統計的な規律が必要なので、原因がすでにはっきりしている問題には向きません。その場合は、直接の対策、ポカヨケ、短いPDCAサイクルのほうが早く解決します。

よくある失敗

最後の失敗は特に注意が必要です。統計は「何が」「どれだけ」に答えますが、現場に行って作業を観察し、作業者と話す人は「なぜ」を見つけます。最良のプロジェクトは両方を組み合わせます。

次の一歩。繰り返し起きる不良を1つ選び、数量・機会・不良・DPMOを計算してください。何かを分析する前に、測定を検証します。そのうえで、数値目標と数か月の期限をもつ小さなプロジェクトを立ち上げ、DMAICを管理の段階まで進めましょう。

よくある質問

シックスシグマとは何ですか?

体系的な手法と統計によって、ばらつきと不良を減らす改善手法です。プロジェクトはDMAICの順に進みます。

3.4 DPMOとはどういう意味ですか?

100万回の機会あたり3.4個の不良で、手法の慣例による(1.5シグマのずれを含む)シックスシグマ・プロセスの水準です。

DMAICは何の略ですか?

Define、Measure、Analyze、Improve、Controlの略で、定義・測定・分析・改善・管理です。シックスシグマのプロジェクトの進め方です。

DPMOはどう計算しますか?

DPMO = 不良数 ÷ (数量 × 1個あたりの機会) × 1,000,000。部品5,000個に不良60個、機会4つなら3,000 DPMOです。

DPUとDPMOの違いは何ですか?

DPUは1個あたりの不良数(60 ÷ 5,000 = 0.012)です。DPMOは100万機会あたりの不良数で、異なるプロセスを比較できます。

シックスシグマとリーンは同じですか?

いいえ。シックスシグマはばらつきと不良に、リーンはムダと流れに取り組みます。両者はリーンシックスシグマとして組み合わされます。

シックスシグマを使うのに統計は必要ですか?

必要です。特に測定と分析の段階で使います。簡単なケースなら、パレート図や管理図だけでも多くの問題が解決します。

シックスシグマは誰が作りましたか?

1980年代にモトローラが、自社の品質プログラムを表すためにこの用語を生み出しました。

参考文献

  1. Lean Enterprise Institute. Six Sigma. Lean Lexicon. https://www.lean.org/lexicon-terms/six-sigma/
  2. PANDE, P. S.; NEUMAN, R. P.; CAVANAGH, R. R. The Six Sigma Way. New York: McGraw-Hill, 2000.
  3. MONTGOMERY, D. C. Introduction to Statistical Quality Control. Hoboken: Wiley.
  4. GEORGE, M. L. Lean Six Sigma: Combining Six Sigma Quality with Lean Speed. New York: McGraw-Hill, 2002.

特記のない限り、参考文献は英語です。

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著者について

Vagner Soares

リーン生産・行動マネジメントの専門家

自動車・金属機械産業(GMおよびDana)で20年以上の経験を持ち、2006年からリーン生産を実践。SENAIの講師、ブラジルの生産性向上プログラム「Brasil Mais Produtivo」のメンターとして、50社以上でコンサルティング・研修・監査を行い、品質・生産性・人材育成を結び付けている。