作業台でドライバーを使う組立作業者の手と、手の届く範囲に並んだ部品箱
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MTMと既定時間標準法とは

既定時間標準法は、基本動作ごとに表の値を足し合わせることで、ストップウォッチを使わずに手作業の時間を見積もる手法です。最もよく知られているのがMTM(Methods-Time Measurement)で、作業を「手を伸ばす・つかむ・運ぶ・位置を決める・離す」に分解し、TMU(time measurement units)で時間を合計します。

MTMはMaynard、Stegemerten、Schwabによって開発され、1948年に発表されました。表の値はすでに標準的なペースで働く熟練作業者に対応しているため、時間研究にあるようなレイティング(ペース評価)の手順はありません。

TMUの単位と基本動作

TMUは、表に小数が出ないように選ばれた、1時間の一部です。

1 TMU = 0.00001 時間 = 0.036 秒  |  1秒 = 27.8 TMU  |  100,000 TMU = 1時間

MTM-1の基本動作は次のとおりです。

クラスと距離の組み合わせごとに、公式の表に値があります。下の例題の値は説明用です。実際の研究では、お住まいの国のMTM協会のライセンス表を使ってください。

例題:ネジ4本とラベル1枚でハウジングを組み立てる

手組み立てステーションを想定した、説明用のTMU値による架空の例です。

要素回数1回あたりのTMUTMU合計
ハウジングに手を伸ばしてつかむ11616
治具へ運んで位置決めする13030
ネジを取って位置決めする438152
ドライバーを取る11414
ネジを締める42288
ドライバーを戻す11010
ラベルを取って貼る14545
組立品を箱へ運んで離す12626
合計381

合計の確認:16 + 30 + 152 + 14 + 88 + 10 + 45 + 26 = 381 TMU。換算すると次のとおりです。

381 TMU × 0.036 秒 = 13.7 秒(正味時間)

MTMには、用達、疲労、避けられない遅れは含まれません。余裕率を15%(例としての値で、会社ごとに決めます)とすると、

標準時間 = 13.716 秒 × 1.15 = 15.8 秒

1シフトの利用可能時間27,000秒(7.5時間)では、ステーションは27,000 ÷ 15.77 = 1,711個(整数)を作れます。1日の需要が1,500個なら、タクトタイムは27,000 ÷ 1,500 = 18秒です。標準時間15.8秒はタクトに収まり、負荷率は15.77 ÷ 18 = 87.6%になります。

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MTMの種類

まとめ方が粗いレベルほど、分析は速くなり、詳細さは下がります。ロットの大きさとサイクルの長さでレベルを選びます。

MTMかストップウォッチか

基準MTMストップウォッチによる時間研究
工程が動いている必要なし。設計中のステーションにも使えるあり
ペース評価なし。時間はすでに正味時間あり(主観的)
分析の手間大きい:MTMの訓練が必要中程度
導入前に方法を比較できるかできるできない
機械時間・工程時間を含むか含まない。手作業のみ含む。サイクル全体

両者は補い合います。MTMは新しい方法の手作業時間を定め、時間研究は現場でそれを検証します。

手順:ステップごとの進め方

  1. 方法を定義する:順序、部品と工具の位置、左手と右手。
  2. 基本動作に、手ごとに分解する。
  3. 各動作のクラス、距離、重さを表から選ぶ。
  4. TMUを合計する。もう一方の手と同時に行われる動作は除く(長いほうが決める)。
  5. 秒に換算し、余裕率を加える。
  6. タクトと比べ、レイアウトと方法を調整して計算し直す。結果は作業組合せ票やラインバランシングに使う。

MTMは動作を一つずつ見るため、人間工学的な改善点も見つかります。遠い到達、体幹のひねり、難しい位置決めなどです。

よくある間違いと限界

よくある質問

MTMとは何の略ですか?

Methods-Time Measurementの略で、基本動作から手作業の時間を見積もる既定時間標準法の一つです。

1 TMUはどのくらいですか?

0.00001時間、つまり0.036秒です。したがって1秒は27.8 TMUです。

MTMにストップウォッチは必要ですか?

いいえ。時間は表から求めるので、ステーションが存在する前から時間を見積もれます。

MTMには余裕率が含まれますか?

いいえ。値は標準的なペースに対応しているので、用達、疲労、遅れの余裕を加えてください。

MTM-1とMTM-2の違いは何ですか?

MTM-1は基本動作を一つずつ分析するので詳細です。MTM-2は動作をまとめるので速く分析できますが、精度は下がります。

公式の表は誰が使えますか?

各国のMTM協会からライセンスを受けた、訓練を受けた実務者です。この記事は計算を学ぶための説明用の値だけを使っています。

参考文献

  1. MAYNARD, H. B.; STEGEMERTEN, G. J.; SCHWAB, J. L. Methods-Time Measurement. McGraw-Hill, 1948.
  2. NIEBEL, B. W.; FREIVALDS, A. Methods, Standards, and Work Design. McGraw-Hill.
  3. BARNES, R. M. Motion and Time Study: Design and Measurement of Work. Wiley.
  4. ZANDIN, K. B. MOST Work Measurement Systems. CRC Press.

特記のない限り、参考文献は英語です。

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Vagner Soaresの写真

著者について

Vagner Soares

リーン生産・行動マネジメントの専門家

自動車・金属機械産業(GMおよびDana)で20年以上の経験を持ち、2006年からリーン生産を実践。SENAIの講師、ブラジルの生産性向上プログラム「Brasil Mais Produtivo」のメンターとして、50社以上でコンサルティング・研修・監査を行い、品質・生産性・人材育成を結び付けている。