
MTBFとMTTRとは
MTBF(mean time between failures、平均故障間隔)は、設備が故障してから次の故障までに平均してどれだけ稼働するかを示します。MTTR(mean time to repair、平均修復時間)は、故障後に設備を復旧させるのに平均してかかる時間です。
MTBFは信頼性を、MTTRは保全部門の対応の速さを測ります。この2つを合わせると、設備の可用性が説明できます。
計算式
- MTBF = 稼働時間 ÷ 故障回数
- MTTR = 総修復時間 ÷ 故障回数
- 可用性 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
数値例
説明用の例で、数値は計算のために作ったものです。
| 月間データ | 値 |
|---|---|
| 計画時間 | 500時間 |
| 故障回数 | 4 |
| 総修復時間 | 20時間 |
| 稼働時間 | 480時間 |
- MTBF = 480 ÷ 4 = 120時間。
- MTTR = 20 ÷ 4 = 5時間。
- 可用性 = 120 ÷ (120 + 5) = 96%。これは480 ÷ 500とも一致します。
平均すると、この機械は120時間動き、故障して5時間止まります。可用性を高める方法は2つあります。故障を減らす(MTBFを高くする)か、より早く直す(MTTRを低くする)かです。
指標の読み方
| 指標 | 方向 | 示すもの |
|---|---|---|
| MTBF | 高いほどよい | 設備の信頼性が高く、故障が少ない |
| MTTR | 低いほどよい | 修理が早く、停止が短い |
同じ機械を時系列で、または似た機械同士で比較します。MTBFもMTTRも高い場合は、ごく少数の非常に長い故障が隠れている可能性があり、逆の場合もあります。影響の大きい機械を見つけるには、停止のパレート図から始めるとよいでしょう。
MTBF、MTTF、計画停止
- MTTF(mean time to failure、平均故障時間)は、電球や軸受のように、修理せず交換する部品に使います。
- 予防保全や品種切り替えなどの計画停止は故障ではなく、計算に含めません。
- ここで扱うのは保全上の可用性です。OEE(設備総合効率)の稼働率には、段取り替えなどの停止も含まれます。
改善の方法
| MTBFを高める(故障を減らす) | MTTRを下げる(早く直す) |
|---|---|
| 予防保全と計画的な点検 | 予備品を準備し、整理しておく |
| 適切な給油で摩耗を減らす | 修理の標準と明確な手順 |
| 自主保全を含むTPM | 適切な工具と訓練された人による迅速な診断 |
| なぜなぜ分析とFMEAによる真因分析 | 修理に応用する段取り時間短縮(SMED)の手法 |
呼び出しをすべて記録するアンドンがあれば、計算の元データが得られます。各停止の開始時刻、終了時刻、原因です。
よくある失敗
- 小さなものも含め、すべての故障を記録しない。
- 計画停止を故障として数える。
- 時間をおおよそで記録する。
- 真因分析を省き、故障が繰り返される。
- アクションプランなしに指標だけを追う。
よくある質問
MTBFとは何ですか?
平均故障間隔のことで、期間中の稼働時間を故障回数で割った値です。
MTTRとは何ですか?
平均修復時間のことで、総修復時間を故障回数で割った値です。
MTBFとMTTRから可用性を求めるには?
可用性 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)です。この例では120 ÷ 125 = 96%になります。
MTBFとMTTFの違いは何ですか?
MTBFは修理できる設備に、MTTFは故障後に交換する部品に使います。
予防保全の停止はMTBFに含めますか?
含めません。計画停止は故障ではなく、計算の外に置きます。
参考文献
- SMITH, D. J. Reliability, Maintainability and Risk. Oxford: Butterworth-Heinemann.
- MOUBRAY, J. Reliability-Centered Maintenance. New York: Industrial Press.
- IEC 60050-192. International Electrotechnical Vocabulary: Dependability. Geneva: IEC.
- NIST/SEMATECH. e-Handbook of Statistical Methods: Assessing Product Reliability. https://www.itl.nist.gov/div898/handbook/apr/apr.htm
特記のない限り、参考文献は英語です。
