ERP、MES、現場設備をつなぐISA-95ピラミッドと、階層間のデータの流れ
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製造実行システム(MES)とは

製造実行システム(MES)は、現場の生産をリアルタイムで追跡・制御するソフトウェアです。ERPから製造指示を受け取り、各作業ステーションに何を作るかを伝え、実際に起きたことを記録して、結果をERPに返します。

計画(ERP)と設備(PLC、センサー)の間に位置します。ERPは何が売れ何を購入したかを知っており、MESはラインが今どうなっているか、なぜ止まったか、良品が何個出たかを分単位で把握しています。

MESの位置づけ:ISA-95ピラミッド

ISA-95規格(IEC 62264)は、企業と制御の統合を階層に整理しています。MESはレベル3、製造オペレーション管理に当たります。

レベル内容例
4経営・業務計画ERP、販売、購買、原価計算
3製造オペレーションMES、詳細スケジューリング、品質、トレーサビリティ
2監視・制御SCADA、HMI
1直接制御PLC、ドライブ、センサー
0物理プロセス機械、ライン、作業者

レベル4と3は対象とする時間幅が違います。ERPは日・週単位で計画し(MRPと基準生産計画を参照)、MESはシフト・オーダー・工程単位で動きます。

MESの機能

1997年のMESA Internationalのモデルは11の機能を挙げています。実務では次の6つのまとまりに分けられます。

すべてを一度に必要とする企業はありません。多くは、すでにOEEとアンドンに使える実績収集と停止の記録から始めます。

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MESとERPの連携

方向やり取りするデータ
ERPからMESへ製造オーダー、数量と納期、部品表、工程表、優先度
MESからERPへ良品・不良の数量、実際の資材消費、機械・作業の時間、オーダーの状態

効果は後者の方向にあります。MESがないと、ERPには遅れて手入力された実績が届き、実際原価と在庫の把握が遅れます。MESがあれば、生産原価は見積りではなく計測データから得られます。

例:MESデータから計算するOEE

説明用の例です。計画シフト480分の機械加工ラインで、MESは停止60分、1個あたり30秒(0.5分)の理想サイクルタイム、生産700個、良品679個を記録しました。

項目計算結果
稼働時間480 − 60420分
可動率420 ÷ 48087.5%
性能稼働率(700 × 0.5) ÷ 42083.3%
良品率679 ÷ 70097.0%
OEE0.875 × 0.833 × 0.9770.7%

検算:良品679個 × 0.5分 = 339.5分の完全に生産的な時間で、339.5 ÷ 480 = 70.7%です。MESの価値は入力データにあります。手作業の記録では60分の停止が過少に報告されやすく、OEEが実際より良く見えてしまいます。

6ステップでの導入方法

MESはインダストリー4.0を支える現場データの基盤ですが、きちんと定義された工程の代わりにはなりません。

よくある間違い

次の一歩:ベンダーを比べる前に、1つのラインで2週間、標準化したコードで停止と不良を記録してください。紙でも構いません。チームが毎日そのデータを使うなら、収集の自動化に進む準備ができています。そうでなければ、ソフトウェアでは問題は解決しません。

よくある質問

MESとは何の略ですか?

Manufacturing Execution System、製造実行システムの略です。生産をリアルタイムで制御・記録します。

MESとERPの違いは何ですか?

ERPは資源と事業(受注、在庫、原価)を計画します。MESは生産現場で起きていることを、オーダー・機械・シフト単位で実行し記録します。

MESは生産計画の代わりになりますか?

なりません。計画は計画が担い、MESは実行してデータを集め、実際の情報で再計画できるようにします。

MESはISA-95のどのレベルですか?

レベル3です。ERP(レベル4)と監視・制御(レベル2と1)の間にあります。

すべての工場にMESは必要ですか?

必要ではありません。機械が少なければ、表計算とボードで足りることもあります。オーダーが多い、トレーサビリティが必須、手作業の記録で意思決定が遅れる場合にMESは効果を発揮します。

MESはOEEを計算しますか?

はい。停止、生産数、不良を収集していれば計算できます。最初に使われる用途の一つです。

参考文献

  1. ANSI/ISA-95 / IEC 62264. Enterprise-Control System Integration.
  2. MESA International. MES Functionalities and MRP to MES Data Flows (white paper), 1997.
  3. KLETTI, J. (Ed.). Manufacturing Execution Systems: MES. Berlin: Springer, 2007.
  4. NAKAJIMA, S. Introduction to TPM: Total Productive Maintenance. Cambridge, MA: Productivity Press, 1988.

特記のない限り、参考文献は英語です。

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著者について

Vagner Soares

リーン生産・行動マネジメントの専門家

自動車・金属機械産業(GMおよびDana)で20年以上の経験を持ち、2006年からリーン生産を実践。SENAIの講師、ブラジルの生産性向上プログラム「Brasil Mais Produtivo」のメンターとして、50社以上でコンサルティング・研修・監査を行い、品質・生産性・人材育成を結び付けている。